見本市は世界観をダイレクトに伝えることができるツール
2021.3
家事問屋 / 下村企販株式会社(KITCHEN LIFE出展者)
1973年、「金物の町」として知られる新潟・燕市で創業。キッチン用品の産地問屋として従事するかたわら、新商品の開発やOEM事業も行う。2015年、「ありきたり、なのに使いやすい」をコンセプトに、昔から親しまれるキッチン用品を現代に合わせて性能、素材、サイズを見直して商品化したオリジナルブランド「家事問屋」を立ち上げ、インテリア・デザインの国際見本市「インテリア ライフスタイル」に初出展する。
その後も同見本市を新商品の発表の場として継続出展し、百貨店などを含む300以上の新規取引先を獲得。2018年からドイツ・フランクフルトで開催される国際見本市「アンビエンテ」にも出展し、海外進出を果たす。
家事問屋
Q. 見本市への出展を決めた理由は?
他見本市には出展していたので一定の成果はありましたが、新たな販路拡大にはつながりにくく課題として感じていました。2012年に(株)フォームレディさんのお手伝いとして「インテリア ライフスタイル」に参加し、その流れで海外見本市にも同行しました。出展者として多くの来場者と接する中で、いつしか新たな自社ブランドを持ち、国内外問わず販路を拡大したいと思うようになりました。
2014年秋、自社ブランドを立ち上げるべく自分たちの強みを改めて見つめ直し「ありきたり、なのに使いやすい」をコンセプトにした商品構成を立案しました。そして翌年、2015年春、自社ブランド「家事問屋」を引っ提げ、晴れて「インテリア ライフスタイル」に初出展を果たしました。
Q. 初出展されていかがでしたか?
率直に申し上げて、想像以上の反響をいただきました。全国の百貨店、専門店、セレクトショップ、アパレルブランドなどの担当者と、会期中だけで300を超える名刺交換をさせていただきました。当時は「家事問屋」として69アイテムを初お披露目しましたが、どの商品も好評でブランド全体として評価いただいたように思います。
この嬉しい反響を受け、初出展後すぐに「家事問屋」シリーズの発売を開始しました。その後も「インテリア ライフスタイル」を新作発表の場として活用し、5年間で300店舗以上のお取引につなげることができました。また、海外からの来場者の反応も良いことから日本以外への販路開拓を目指し、世界最大級といわれる国際消費財見本市「アンビエンテ」にも2018年から継続出展しています。見本市は「家事問屋」の世界観を来場者にダイレクトに伝えることができるツールだと実感しています。
Q. 今後の展望は?
「家事問屋」では家事にまつわる新商品10~15アイテムを毎年継続して開発し、2020年現在で140アイテムまで増えました。一方で、お客様の声や見本市で出会った来場者の反応を活かしながら既存商品も日々改良し、小泉誠さんなどの著名なデザイナーに依頼して、デザイン面でも細かな修正を加え続けています。そして、デジタル化が進む現代社会にも順応できるよう、自社公式サイトの充実や動画での商品説明を強化しています。
使い手の気持ちに寄り沿い、素材を選び、熟練の技術を活かすことで「ありきたり、なのに使いやすい」商品は生まれますが、それを丁寧に伝え続け、皆さんのお手元に届けることも私たちの使命だと考えています。