森と生きる町から生まれた香り
2025.10
NALUQ / (株)フプの森(BIYO出展者)2012年設立。北海道・下川町で2000年に始まった精油事業を前身とし、町の森林資源を無駄なく活用する取り組みから誕生した。トドマツ(北海道モミ)の枝葉などを原料に、自社で蒸留した精油や芳香蒸留水を用いた製品を展開。精油やアロマ雑貨を扱う「FUPUNOMORI」シリーズに加え、日常使いのコスメライン「NALUQ」では、バスミルクやハンドクリームなどを扱う。持続可能な森づくりと、人と森をつなぐ香りのある暮らしを提案するブランドとして、地域性と自然との共生を軸に活動している。 https://fupunomori.net/ |
―御社の事業について教えてください。どのように始まったのでしょうか?
会社としてのスタートは2012年ですが、その前身となる精油事業は2000年に北海道・下川町で始まりました。下川町は面積の約9割を森林が占める、まさに“森とともにある町”です。林業が盛んな一方、木材として利用されない枝葉の活用が課題とされていました。そこに地域活性化の視点を加え、町や森林組合、産業クラスターなどが連携して生まれたのが、樹木の葉から抽出する精油でした。
―最初からアロマ製品として展開していたのでしょうか?
いえ、当初は農業資材としての活用を考えていました。ただ、コスト面などでなかなかうまくいかず、アロマテラピーに詳しい方に相談したところ精油として使うのが良いのではという話になり、開発が進められていきました。
―現在展開されているブランドについても教えてください。
開発当初はアロマテラピー自体がまだ一部の人のものでしたが、もっと広く生活に取り入れてもらいたいという思いから、「NALUQ(ナルーク)」というコスメラインを立ち上げました。自社で採取したトドマツ(北海道モミ)などの植物を使ったバスミルクやボディソープ、ハンドクリーム、ヘアケア商品などを展開しています。また、精油を中心とした「FUPUNOMORI」というシリーズもあり、香りそのものを楽しみたい方にもお届けしています。
―見本市への出展についてお聞かせください。
インテリアライフスタイル展には今回で2回目か3回目の出展になります。私たちの製品は、いわゆるコスメのカテゴリだけでは括れません。むしろ、サステナブルやエシカルといった価値観と共鳴する場所や、暮らし全体を考えるインテリア分野との相性が良いと感じています。
―ブースの構成にも工夫があると伺いました。
北海道の世界観を感じてもらえるような演出を大切にしています。特にディスプレイでは、冬の静けさや凛とした空気をイメージしています。実際、林業は雪に覆われる冬のほうが活動が活発なんです。ブースには、地元の職人さんに作ってもらったトドマツの木材を使うなど、素材からストーリーが伝わるようにしています。
―こうした見本市に出展することで、どのような出会いがありますか?
私たちは、北海道・下川町のような地域の取り組みや林業の背景に共感してくださる方とのつながりを大切にしています。展示会の場では、そうした価値観に関心のある方と直接会ってお話できることが何よりの魅力です。遠隔地からの発信には難しさもありますが、リアルな場に出ることで信頼性が高まり、理解も深まります。そういった意味で、インテリアライフスタイル展のような場は、私たちのような地域発ブランドにとって、貴重な機会であると感じています。