暮らしに“余白”を生む、生活用品づくり
2025.11
ライクイット株式会社(MOVEMENT出展者)1932年創業。当初はセルロイド製品の加工を手掛けていたが、後にプラスチック製品へと転換。現在は、収納用品、キッチンツール、ゴミ箱、ランドリー製品など、デザインと機能性を兼ね備えた生活用品を幅広く展開している。特に収納用品においては、業界の先駆けとして独自の地位を確立。近年では、「余白ある暮らしをかなえる」をブランドメッセージとして、空間、時間、心のゆとりを提供する製品開発に注力している。 https://like-it.jp/ |
―ライクイット株式会社の事業について教えてください。
1932年の創業以来、樹脂加工の技術を活かし、生活用品を中心とした製品を開発してきました。軽くて丈夫、汚れにくいといったプラスチックの特性に着目しながら、そこにデザインの力を加えることで、日々の暮らしの中で長く愛されるものづくりを目指しています。現在は収納用品を中心に、キッチンツールやランドリーグッズ、ゴミ箱など、暮らし全体を見渡したラインナップを展開しています。
―収納用品に力を入れている理由についてもお聞かせいただけますか。
モノが増え、多様化する暮らしの中で、収納という行為が果たす役割はますます大きくなっています。資源ゴミの分別といった日常的な行動にも、“ゴミをしまう”という視点を持ち込むことで、暮らしが整い、気持ちにもゆとりが生まれます。私たちはブランドメッセージとして「余白ある暮らしをかなえる」を掲げ、生活の整理整頓を支える製品を、機能性とデザインの両面から支えたいと考えています。また、プラスチック資源を使用しているため、資源を有効活用するという考え方も製品開発に取り入れています。
―製品の幅が広がる背景には、どのような考えがあるのでしょうか?
収納という発想は、実はキッチンやバスルームなど、暮らしのさまざまなシーンに通じています。私たちは長年にわたって自社工場で製品づくりを続けており、プラスチック素材への深い知見を活かして、多様な分野に応用できる製品の開発に取り組んできました。
例えば「米とぎにも使えるザルとボウル」シリーズは、ドイツの見本市「アンビエンテ」で料理研究家の松田美智子先生と出会ったことをきっかけに、お米にやさしい柔らかな樹脂素材を独自に開発し、共同で開発したものです。
―インテリア ライフスタイルについても教えてください。出展には、どのような価値を見出されていますか?
この見本市は、私たちにとって“売る”こと以上に、“伝える”ことができる貴重な場です。バイヤーやプレス関係者の方々に加え、実際に製品を使って発信してくださる整理収納アドバイザーやインフルエンサーの方々とも出会うことができ、製品の背景にある考え方やこだわりを、自分たちの言葉で直接お伝えできる機会となっています。
―ブースづくりにも、強いこだわりがあるそうですね。
魅力がより伝わるような空間を目指し、展示は白を基調に、製品にスポットライトを当てるなど、美術館のような雰囲気で演出しています。価格やスペックよりも、まず製品そのものをじっくり見て、知っていただくことを大切にしているからです。また、スタッフも製品の使い方や開発の背景を丁寧にお話しできるよう心がけています。
―見本市を通じて、どのような関係づくりを重視されていますか?
整理収納アドバイザーや情報発信に携わる方々など、私たちの製品を通して暮らしに何かを提案してくれる方々との関係づくりに力を入れています。見本市は、そのはじまりの場であり、製品をただ“見る”のではなく、“共感してもらえるきっかけ”をつくることが、今後ますます重要になってくると感じています。