人と空間をつなぐ“インテリアテキスタイルの力”
2025.12
株式会社ニーディック(HOME出展者)オリジナルのインテリアテキスタイルを企画・開発する企業として1959年に創業。東京都中野区に本社を構え、カーテン、ラグ、ベッドリネン、クッションなど幅広い商品を扱う。直営店「ニーディックテキスタイル」を中心に展開し、独自性とデザイン性に優れたオリジナルブランドを手掛けるなど、上質なインテリア空間を提案している。 http://www.needk.com/ |
―御社の事業概要についてお聞かせください。
弊社は主にインテリアテキスタイルの企画・開発を行っています。一般的に、部屋の中の約7割はカーテンやクッションなどの装飾品で占められているとも言われており、それだけインテリアテキスタイルが空間に与える影響は大きいと感じています。
国内の多くの同業が商社機能を主軸にしている中で、私たちはアパレル産業のように、デザイン性やトレンドを重視したオリジナルテキスタイルの開発を行っています。感性を大切にしながら、日常の空間に自然と溶け込むものを目指しています。
―見本市で拝見したブースも、ラグジュアリーでありながら、暮らしにもなじむ洗練された雰囲気が印象的でした。
ありがとうございます。海外輸出向けの商品は特に「メイド・イン・ジャパン」にこだわっており、桐生や静岡など、歴史ある産地の工場で織られたテキスタイルを使っています。日本の技術力と感性を活かした製品は、海外でも高く評価されています。
―「インテリア ライフスタイル」との関わりについてもお聞かせください。
立ち上げ当初から30年近く出展しています。実は初期にはプロデュースチームの一員としても関わっていました。かつては主に卸先を探す場という側面が強かったのですが、現在ではそれだけでなく、自社のオリジナルテキスタイルを、業界内外のさまざまな方に直接紹介できるコミュニケーションの場としても重要な役割を果たしていると感じています。
―御社の展示手法にも独自性を感じました。
テキスタイルを幾重にも吊るすディスプレイは、弊社の特徴的な見せ方の一つです。デザインを重視する企業として、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)にも独自の美意識を取り入れています。一つひとつのテキスタイルに対して丁寧に向き合い、伝えることを大切にしていますね。
―今回の見本市では、どのような来場者との出会いが印象に残りましたか?
最近は百貨店バイヤーの来場がやや減っている印象ですが、小売店の方々や、設計事務所、工務店の方々といった新しい層との接点が増えてきました。ブランドやお店のあり方が見直されるなかで、自社の持つ強みや価値をどう伝えるか、皆さん模索されているように感じました。
―今後、見本市をどのように活用していきたいと考えていますか?
見本市が単なる受注の場ではなくなりつつある中で、より横断的なコラボレーションの可能性を広げる場として発展していってほしいと考えています。たとえば家具メーカーとの共同企画など、異なる領域の掛け合わせが生まれるような場になれば面白いですよね。
また、「インテリア ライフスタイル」は、業界全体の空気感やトレンドを感じ取れる、数少ないリアルな接点でもあります。自分たちの立ち位置を確かめたり、新たな気づきを得たりするためにも、今後も重要な場になり続けるのではないかと思います。
写真提供:株式会社ニーディック